呉ノ朱

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  六.  

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「失礼します。十巴先輩」
放課後の風紀委員室、生徒会室に隣接したそこには、藤篠十巴と会長の黒崎行幸が、何やら慌ただしく働いていた。
数名の生徒会役員や風紀委員がバタバタと部屋を出て行ったのを見送って、灰谷が十巴を見やれば、彼女も灰谷の姿を認めて僅かに笑顔になる。
「お、灰谷、丁度よかった。犯人が――」
「――藤篠が、狙われました」
晴れ晴れしい表情の十巴とは裏腹に、暗い顔をさせた灰谷は静かな口調でそう言った。
途端に、二人の表情が険しく固まる。
「百花が!?」
「昇降口を出たところの校舎裏で、屋上から鴉の死体が降ってきて……。被害はほとんどなかったんですが、いま保健室にいます」
もしもあれが直撃したところで、怪我があるとは思えなかった。しかしあれを落とした人間の狙い通 り、精神的なショックは大きいはずだ。
灰谷もそれは同じことだった。
「そうか……。ありがとう」
「いえ。何も、できませんでしたから」
そう、自分は何もできなかった。百花が狙われている可能性は高かったはずなのに、ボディーガードとしての勤めを果 たすこともできなかった。
自責の念が、灰谷の表情をいっそう暗いものにさせていた。
「藤篠の警護を、他の人に替えてください」
「……理由は?」
臆したと思ったのだろう、十巴の視線がさっと冷たいものになる。
しかし、灰谷の理由は別なところにあった。
「もしも犯人があいつを怪我させるつもりなら、多分もっと重いものを落としたんだと思います。……もしかしたらあの手紙の通 り、藤篠を好きで、それでいつも一緒にいる僕に嫉妬したんだとしたら」
「成る程。よりエスカレートするかもしれないな」
頷いたのは行幸だった。
「せっかく目星がついたと思ったら」
十巴はがりがりと頭をかき、大きな溜息をついた。
十巴の言葉に怪訝な顔をさせた灰谷に、思い出したように十巴はああ、と頷いて、言葉を続ける。
「昨日の手がかりだよ。あの時間に授業に出ていない、かつ同じ部活の生徒。……化学部だった」
「化学部……。それじゃあ」
もうこれで安心ではないか、と、灰谷が少し表情を明るくさせても、今度は十巴がすっかりと瞳を暗くして首を振る。
「ちょうどいま、器具の押収が済んで、事情聴取してるところだ。三人とも」
さすが学園内の警察、と褒め称えれるべきところを、尚暗い表情撃フままの十巴の言葉の真意がわからず、灰谷は思わず行幸に助けを求める。
「つまりね、その時間に彼らは俺たちに包囲されていて、そんなことできるはずがないってことだよ」
「別に、誰か……」
鴉殺しの嫌疑が最もかかっているその三人以外に、いるのだ、百花に鴉を落とした誰かが。
「そ。とりあえず百花の件はわかった。明日には交代してもらうから、今日だけは送ってってやってくれないか?……このとおり、皆出払っちゃっててさ」
十巴は一度伸びをして、拝むように灰谷に手を合わせた。
灰谷はようやく初めて、自分が本当に百花を守らなければならないのだ、という、危機感にも似た緊張に身を引き締めたのだった。




「大丈夫、か?」
「うん」
いつもよりずっと神経を張って帰り道を行きながら、灰谷は隣の百花を見る。
少し血の気を失くしたそのかんばせは透き通るような白さで、それでも灰谷に微笑んでみせる。
それはどことなくいつもの彼女とは違っていて、痛々しくさえあった。
「へんな格好ね」
汚れた靴下と靴とを捨て、素足に上履きという出で立ちの彼女は、さっきまでのことなど忘れてしまったようにおどけて笑う。
――心当たりとか、ないのか。
そう訊きかけて、止めた。
もしもあれが百花を好きであるゆえの、行き過ぎた行為なのだとしたら……灰谷は、なんとなく、そういう狂おしい思いがわからないでもないような気がしてしまうのだ。
どんなに想っても、伝わらない。
三千世界の鴉を殺し、と、遊女にあの歌を贈った最初の人間も、もしかしたなら、どうしたって手に入らない恋に身をやつしたりしたのだろうか。
「……ね、だからあがっていって」
「ああ」
生返事をしてから顔をあげれば、もうそこは百花の家だった。
玄関から続く万緑のアーチが、初夏の陽射しに眩しい。
百花が玄関を開けて、灰谷を招き入れる。
「いや、オレ、帰るよ」
慌てて自分の返事を撤回すると、百花は眉根を寄せて、憂鬱な表情をさせてみせた。
「いまね、誰もいないの、家に。……こわいから」
見たことのない百花の様子に、平気に見えてもやはり彼女の傷は深いのかもしれない、と、思い直す。
おじゃまします、と玄関を上がれば、広々とした屋敷はきれいに掃除されていて、なんだかんだいっても彼女もやはり鷺ノ宮の生徒なのだ、ということを思い出した。
緊張した足取りで階段をあがり、四つ並んだ同じドアのうちのひとつが開く。
白と薄ピンクでコーディネートされた、いかにも女の子らしい、百花の部屋。
「……誰かが帰ってくるまでだからな」
「うん」
百花は嬉しそうに笑って、お茶を用意するから、と、すぐに部屋を出ていった。
居心地の悪さに部屋をぐるりと見渡す。ベッドと机と本棚と……自分の部屋とたいしてかわらないはずなのに、初めて入った女の子の部屋というものは、こんな甘い匂いがするのだ。
足を崩そうとして、ドン、と背後の本棚に背中がぶつかった。
その衝撃で、積まれていたらしい本がバサバサと崩れる。
「ヤベ……!」
いまの物音で百花が階段を上がってきはしないかと耳を澄ましたが、なんの音も聞こえてこなかった。
慌てて崩れた本を元のように積み直していると、ふと、一冊の分厚いそれが目に入る。――アルバムだ。
緊張のせいだろうか、今日の彼はどうかしていた。
普段であれば、どれほど好奇心があろうと決して盗み見るようなことをしない彼が、そのアルバムをそっと開く。
「十巴先輩と、あ、藤篠先生か」
百花たち藤篠四姉妹といえば、学園内でも有名な存在だったが、去年退任していった長女とはあまり接点がなく、こうしてまじまじと見るのは初めてだった。十巴と同じ系統の、すらりとした涼しげな印象の女性だ、と、灰谷は思う。
「生徒会長……?」
少年が二人写っているかと思えば、それは生徒会長と十巴らしいことがわかった。その隣にさっきの長女、そして小さな少女は中等部にいるらしい四女だろうか。その間にはさまるようにして、赤いワンピースを着たマシュマロのような少女が一人。
「……これって」
まさか、と目を凝らそうとしたところで、階段をあがってくる足音に気づく。
クーラーの効いた涼しいはずの部屋の中で、どっと汗が噴き出して、慌てて灰谷は、そのアルバムを本棚の隙間に押し込んだ。
「おまたせしました」
声より先に、紅茶と、甘い香り。
机の上に不格好なタルトに似たケーキが置かれ、そしてちょこんと向かいに座った百花は制服ではなく、薄いワンピースのようなものを着ていた。
「着替え、たのかよ」
「だって、制服も汚れてるかもしれないじゃない」
さらりとそう言って、紅茶とケーキを灰谷へと促す。
「あのね、お菓子は初めて作ったのね。食べてみて」
……実験体か? と、内心そう思いながら鼓動が早くなる。なにしろ"女の子の手作りの"を食べるのも、初めてだ。
そんなことで動揺する自分ではなかったはずなのに、とまた少し苛立ちながらタルトの形をした物体を口に運んで、思い切り顔をしかめた。
「まっ……ずぅ……!」
「ほんと!?」
とてつもなく苦く、そして甘い。これが食べ物なのか、と疑いたくなるような味のケーキは、しかもザラザラとした舌触りと溶けきらない砂糖らしきジャリジャリとした食感がそのエグみと相まって、なんとも芳醇なハーモニーを奏で……。
不味い、と言われたにもかかわらず百花は嬉しそうに、自分の分のケーキを口に含み、まずいね、と笑った。
困ったようなその笑顔が気に懸かって、紅茶で溶かすように流し込みながら、灰谷はそれでもケーキと格闘し、そして勝った。
「食べちゃった……」
「食べたよ!」
込み上げる吐き気と戦いながら怒鳴るようにして返して、そして言葉に困る。
それは百花も同じようで、気まずい沈黙が二人の間を流れた。
「ね!トモエちゃんの部屋、見せてあげようか」
「え!?」
沈黙を先に破ったのは百花の方で、彼女は灰谷の腕を掴むと半ば無理矢理に部屋から追い出す。
少し痺れた足がもつれて、部屋の片隅にあったゴミ箱を転がした。
中に押し込まれていたらしいプリントが床に散らばったが、百花がいいから、と腕を引っ張るので、灰谷はそれを元に戻すことはできなかった。
「男の子の部屋、みたいでしょ」
開かれたドアの向こうは、さっきの百花の部屋とはまるで別物で、シルバーの武骨なベッドと机、床に転がった雑誌はフィットネスものからプロレス誌から星占いまで幅広く、壁にかけられたいくつかの賞状が夕陽の室内に反射した。
「このバルコニーって」
大きな窓から通じるベランダは、不思議にも隣の屋敷のベランダと柵を隔てて繋がるようになっていた。奇妙な造りだ。
「これね、あの部屋がミユキちゃんの部屋なのね」
「ミユキちゃん?」
指し示した隣家の窓は暗い。
「生徒会長。幼なじみなの」
言われてようやく黒崎行幸、という名前を思い出し、なんともいえない心地になった。
学園内でもべったりと常に一緒の二人だが、なるほど、幼なじみゆえの親しさか、と、そう得心しても不思議と胸は痛まない。
「やきもち、妬かないの?」
「ん?……んー…」
いつだったか、百花に好きだという気持ちを問われてうまく答えられなかったように、灰谷は言葉を詰まらせた。
十巴に対しての気持ちは、まるで子供がテレビのヒーローに憧れるのと似ていて、彼女に話しかけられて背筋が伸びたり胸がドキドキするこそあれ、それは恋とは異質なのではないか、と、最近思い始めていた。
何より、生徒会長はどこをどうとっても自分が太刀打ちできる相手ではない。
この気持ちを、どう説明したものか。
そう思ってぼんやりとしていた時だった。
突然にドン、と胸が押され、倒れ込んだ体を背後のベッドが跳ねさせる。
「なっ……」
スプリングがギシと音をたて、シーツから、百花の部屋とはまた少し違った匂いがした。十巴の匂いだ、と気づけばやはり鼓動は早くなる。
「なに考えて……!」
倒れ込んだ灰谷の体の上に、百花が乗った。
これではまるで昼休みと同じ構図ではないか、と考えるより先に、百花の手がキラリと光る。
素早い動きで自分の手首に冷たい物がはまり、そして……
「てっ、手錠!?」
「トモエちゃんのシュミよ」
片手をベッドの頭部分に繋がれた形で、百花が覆い被さってくる。
慣れた手つきで制服のシャツのボタンが外される。
残された左手だけでは、どうにも心許ない抵抗だった。
「オイッ、やめろって!」
ガチャガチャと手錠が鳴る。百花の指がTシャツをまくしあげる。
舌が鎖骨を這って、そして乳首を軽く噛んだ。
「……っ」
こそばゆいような、痺れるような奇妙な感覚。
百花の頭をおさえる手にも、途端に力が入らなくなる。何かがおかしい。
ぼんやりとしてしまった頭で、百花がズボンに手をかけたことがわかる。
ベルトが外される音で、ハッとした。
「……体操服?」
不思議な顔をさせた百花の眼下には、制服のズボンの下に、体操服の短パンがのぞいている。
昼に汚してしまったそこを拭って下着を捨てて、仕方なしに選んだ打開策だった。
百花は少し小首を傾げたあと、それをぐい、と引き下げる。
「わっ、バカ……やめ……っ」
もう灰谷は、そちらを見ることができなくなった。
風通しがよくなった股間に、百花の指がそっと滑る。髪が下腹部をくすぐった。
「すごい……におい」
くすりと笑った後、いま言葉を発したばかりの唇が、降ってくる。
ぬるぬるとした温かいものが、自分のそれを包み込む。
「うあっ……っ」
腰が跳ねるように浮いた。
文章では、漫画では知っていた。けれど実体験として得たその感触は、想像とはほど遠い刺激的なもので――
おそるおそる、百花を薄目で見やる。映像になればそれはよりいっそうだった。
「トモエちゃんのこと、考えててもいいよ」
どうしていま、よりによって彼女にそんなことを言われなければならないのか。
悔しいような気持ちが込み上げて、ツンと鼻が痛んだのに、赤い舌が、ちろりと自分のモノをねぶる。
――クソッ、どうしてこんなに気持ちがいいんだ。
先端を刺激されて、頭が溶けてしまいそうに何も考えられなくなる。
「ふふ、ビクビクしてる。……出してもいいよ?」
嬉しそうに、百花はそう言って動きを早くさせた。
スジを、先端を、吸い上げるようにして舌が包んで、腰が砕けるような強い刺激に、灰谷は思わず残された左手で、百花の髪を強く掴んだ。
「…………っ!」
ビュッ、と、慣れた感覚で吐き出したそれが、百花の口の中から溢れて、その顔を汚した。
ひとしきりの射精の後、ぐったりと力を失くした灰谷に、百花は顔についた精液を指でからめとり、見せつけるようにして舐めて、笑った。
「ケーキ。ぜーんぶ食べてくれて、嬉しかったから、御礼」
にっこりと笑って、百花は灰谷の右手にかかった手錠を簡単に外す。
百花が手渡したティッシュで自分のそれを拭っていると、ようやく冷えてきた頭に、様々な感情がよぎる。
情けなさと、苛立ちと、悲しさと……あとは、あの快感の記憶。
「……満足したか?」
声に出したら、泣きたくなった。
「オレのことからかって、こんなことまでして、満足したか!?」
乱れた衣服を直すこともせずに、灰谷は百花を睨んだ。
「なんでオレなんだよ!オレがオマエになびかなかったからか!?モテそうにないからか!?いい加減にしろよ!」
灰谷の怒鳴り声にも、しかし百花は動じなかった。
百花は自分の顔や髪についたものを拭って、ベッドの端に腰掛けて、ただ灰谷を見ていた。
「――灰谷くんが、モモを好きだからよ」
静かな声だった。百花は微笑むことをせず、静かな表情でそう言った。
それを見たとき、灰谷はもう、何の言葉も返すことができなくなってしまった。
……百花を好き?自分が?
このインランでヘンタイでアバズレで頭が悪くてどうしようもない女を……………………好きに、決まっている。
他の男子生徒と同じように、目で追わずにいられなかった。
けれど目で追えば――自分と百花との釣り合わなさが、心を寂しくさせた。
だからいつしか、ひたすらに百花を避けた。
あのとき、百花が自分をかばってくれたことが、かばってくれたのが他の女子生徒ではなく彼女だったことが、どれほど嬉しかったか……。きっと百花にはどうしたってわからない。
クラスメイトの誰に嘲られても挫けることなく背筋を伸ばしていられたのは、百花だけは、と、願うようなささやかな気持ちがあったからだ。
かわいそうなのは、自分だ。
どんなに思っても、伝わらない。
「……好きで、それで?オレがオマエを好きだから、こういうことされて喜ぶとでも思った?」
灰谷は、笑って言った。
惨めな気分だった。情けをかけられたような、惨めな気分。
他の誰が侮っても、彼女だけは自分を侮らないでいてくれると、心のどこかで信じてしまっていた。
でもこれは、侮りと同じだ。
「普通はな!嬉しいかもしれないさ。好きな女とキスできてセックスできて……でもな」
百花を見上げる。いま自分がどんな気持ちで彼女を見ているか、彼女はわかるだろうか。
「そこにはオマエの気持ちが、ないんだ」
絞り出すように、言った。
――三千世界の鴉を殺し、主と朝寝がしてみたい――
ああまるで、遊女に恋する男の心地だ。体を重ねても、何も満たされない。
もしも世の中総ての男が消えて、自分と彼女のふたりきりになったとしても、決して彼女の心が得られないと、そう思うのに。
「……ごめんなさい」
しばらくの沈黙の後、百花が震える声で、言った。
部屋は少しずつ、夜を迎えようとしていた。
「モモは、ひどいことをしたわ」
「そうだな」
灰谷はシャツやズボンを直しながら、どこか突き放すような口調で答えた。
「でも、どうしても、してみたいと思ったの」
落とした視線の先に、百花がギュッと、スカートを握りしめていたのに気づく。
その指は白く色を失くして、彼女が真剣なのだと、気づいた。
「うまく言えないけれど、どうしても灰谷くんとしたいと、思ったのよ……」
長いまつげが閉じて、ぽろぽろと、涙が落ちる。
灰谷は、涙が落ちるさまに見とれた。きれいだった。
藤篠が、泣いている。
泣いている。
灰谷は呆然としながらも、心の中で苦笑せずにはいられなかった。
あの藤篠百花が、自分とセックスしたいと泣いている。
――これが、恋でなくて何だろう。
灰谷は、百花の頬に手を添えた。
そしてそっと、顔を近づけて唇を重ねた。しっかりと体温を感じるまで、拒絶されたら、と不安が消えなかった。
彼にとっては初めてのキスだった。
甘いと聞いていたはずのそれは、涙やら自分が出したものの名残やらで、まるでさっき百花が用意したケーキのような味で、それでもとても、心地がよかった。
「……ちょっと、言い過ぎた。ごめん」
怖々と、肩を引き寄せて抱いた。体を触れさせるには、自分の大きなお腹が邪魔をした。
落ちてくる夜のように緩やかに、どうしてこんなにも自分が百花と性行為をしたくなかったのか、悟った。
してしまったら、終わる予感がしたからだ。
彼女の興味を、好奇心を満たしたなら、もう自分は彼女にとって用のない人間になるのだろう。
「……しようか」
言葉にしたら、しみじみと、かなしい。
それでも、百花が泣いているのだ。
たとえその気持ちが性欲だろうが、かまうものか、という乱暴な気持ちで、灰谷は言った。
百花が顔を上げる。泣き腫らした目をしていた。
明日には、自分はお役御免で彼女との接点は減るだろう。
彼女はきっと、自分から離れて別の標的を見つけるだろう。
それは願ったことだったはずなのに、多分今夜、自分はまた泣く。
いつかの彼女の言葉をかみしめて嬉しさに泣いた夜とは違う夜になるとしても、いまこうして百花が泣いていることが、たまらなかった。
こういう気持ちを恋と呼ぶのか、と、灰谷はさみしく思った。
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