呉ノ朱

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  最終話. 

人物紹介・作品解説へ
翌日、学校に行くと、自分の机の中に何か紙が入っているのに気づいた。
それを開くと、そこには、昨日の写真付きメールがプリントアウトされて入っていた。
――なに、これ。
花梨は愕然として、慌ててその紙を握りつぶす。
「花梨?」
隣の席の晴美が青ざめた花梨の顔を覗き込んだ。
花梨は慌てて首を振ると、その紙を机の奥に放り込む。
「今日の数学の宿題、やってきた?」
「忘れた。誰かに写させてもらおうよ」
笑ってみせて、クラスを見渡す。二人の男子と目が合った。
一人は、以前からずっと花梨とつきあおうと誘いをかけている鷺沼。鷺沼は花梨と目が合ったことに気づくと、笑顔で投げキッスをしてみせる。もう一人は、見慣れない顔だった。眼鏡ともっさりとした前髪がオタクっぽい印象の小柄な男だ。
――あいつだ。
花梨は立ち上がると、ツカツカとその男のところに行った。
「あんた、名前は?」
「か、梶山ですけど……」
花梨は睨み付けるようにその男を見る。と、彼は花梨から目を逸らして困ったように手元に視線を落とす。明らかにおかしい。
「あんたさ……」
花梨がそう言った時、教室の扉が開いて、担任の教師が入ってきた。
しぶしぶ花梨は席に戻る。晴美が不思議そうな顔をして花梨に声をかけた。
「どうしたのよ、梶山に声かけるなんて」
「晴美、あいつのこと知ってるの?」
晴美は小声で頷く。担任は花梨たちに気づきもせず、HRを黙々と進めている。
「同じ中学だったから。アイツ、ちょっとキモいんだよね。中学の時もパソコン部で、なんかエロゲー?作ってたって噂あったし」
晴美のその言葉に、花梨は確信した。
crymoreは、あいつに違いない。梶山がたまたまあのチャットにいたのか、それとも故意に何らかの方法で自分のメールアドレスを手にしたのかは知れないが、それも問い質せばわかることだ。
花梨は、じっと梶山の背中を見つめた。


休み時間に入り、花梨は真っ先に図書室へと向かう。
学校の図書室にはパソコンが置いてあり、司書に使用の旨を申し出て、学生証につけられたバーコードを読みとられることで生徒の自由使用が許可されていた。
勿論、アダルトサイトなどは見られないように規制はされているものの、その名簿を見せてもらえば昨日、あの時間に誰が自分にメールを送っていたか、だいたいの検討はつくと花梨は考えた。
「昨日の16時30分頃なんですけど……」
「ちょっと待ってね」
司書の眼鏡をかけた中年の女性は、パソコンの表のようなものを開く。
「ええと……昨日のその時間だと、一人いるわ」
「誰ですか?」
梶山に違いないと確信していた花梨の耳に、予想していなかった名前が聞こえてくる。
「1年F組の、鷺沼駿くんね」
「え……?それ、間違いないですか?」
花梨は愕然とした。鷺沼。入学してすぐの頃から今まで、花梨に言い寄っていた同じクラスの仲の良い男友達だ。パーマの茶髪にいくら校則がゆるいからといって、制服にまでシルバーアクセサリーをつけてくる軽そうな男。
決して嫌いではなかったが、彼氏というと二の足を踏む、そういう男だった。
「間違いないわねえ。端末はこっちで管理してるから、誰かが勝手に使えないようにしてあるもの」
司書の言葉に、そうですか、と言って花梨は廊下に出た。と、そこでまた、意外な人物と肩がぶつかる。
「鷺沼……」
「なんだ、花梨じゃん。珍しくねえ?お前が図書館なんてさ」
鷺沼はへらへらと調子よく笑ってみせる。花梨はその腕を引いて、廊下のすみへと連れていった。
「なんだよ。やっとオレ様とつきあう気になったか?」
「馬鹿言わないで。crymoreって、あんたなの?」
背の高い鷺沼を睨み付けるように見上げると、鷺沼は一瞬何のことだかわからないといったように眉を顰めて、そしてああ、と呟く。
「昨日の変なメールのことか。アレお前に届いたんだ?」
「変なメールって……あんたが送ったんでしょ!?」
声を荒げた花梨に、鷺沼は少し驚くと両手を上げてみせる。
「違うって……あれ、人に頼まれたんだよ。あの文章で送れば金くれるって」
「頼まれたって誰に!?」
鷺沼は首を傾げて、また何かを思い出すように考え巡らせた。
「わかんね。渋谷歩いてたらさ、なんかイカツイ男が寄ってきて、バイトしねえかって。 指示通りメール送るだけで3万くれるっつうからさ」
「その相手のケー番とか、わかんないの!?」
花梨は縋るような気持ちだった。もう鷺沼しか奴との接点がないのだ。鷺沼は制服のポケットから黒い最新型のケータイを出しピッ、ピッと操作するが首を振った。
「非通知だったしなあ。……あ、待てよ」
もう一度ケータイを見る。そうして花梨に差しだした。
「ここ。小さいけど映ってるだろ。この男に頼まれたんだよ」
鷺沼が見せたのは、カメラ機能で撮影された写真だった。ポーズを取る他校の女子の背後に、横顔の背の高い男が映っている。
パーマのかかった黒髪を逆立てるようにスタイリングして、わずかに見える肩にはしっかりとした筋肉がついている。いわゆるストリート系の服装。
――見覚えが、ない。
もしかしたらこの男も、同じように金で雇われたのかもしれない。だがよくよく見ると、どこかで見たことのあるような気もした。そう思ったその時、不意に花梨の脳裏に、昨日送られたメールに添付された写 真が蘇る。
「ごめん、ありがと!あたし早退するから!」
「お、おい花梨!」
鷺沼の制止も聞かずに、花梨は階段を駆け下りた。




「はあ……はあ……」
玄関のドアを開ける。母親はもうパートに出ているから、こんな時間に帰っても叱られることはないだろう。
靴を脱ぎ捨てて階段を駆け上がると、パソコンを起動させた。
ヂリヂリと音を立てて、システムが立ち上がる。待ちきれない気持ちで、花梨はパソコン画面 を見つめ続ける。
「来た」
起動が完了されると、デスクトップにアイコンが並ぶ。そこからメーラーを起動して、昨日、一番最初にcrymoreから届いたメールを立ち上げる。
パッと表示されるのは、自分の全裸姿。
昨日は恐怖心と羞恥心からじっくりと見ることはできなかったが、よく見ると、花梨の立っているのは見慣れた家の脱衣所だ。そしてこの角度は、どうあっても窓の外から撮れる場所ではない。
花梨は続いて、昨日一樹が教えてくれたようにメニューからインターネットヘッダーを選択した。バッと英語が並ぶ。
もうひとつ、最後に届いたメールを開き、同じ行為を繰り返す。
そこに並んだ英語と、最初のメールの英文を比べて見ると、明らかに違っていた。
「まさか……」
最初のメールの英文を、じっくりと見ていく。そこには同じ英文が、まるで繰り返されるように並んでいた。
つまり――自分と同じ場所から送信されたということだ。
花梨の胸が、ドキドキと早鳴っていく。部屋を出た。廊下を歩く。2階にあるのは、両親の寝室、花梨の部屋、そして一樹の部屋だ。
一樹の部屋の前に立った。花梨の胸が、これ以上ないくらいに高鳴る。
ドアノブに手をかけてまわすと、簡単にドアが開いた。

そうして花梨は、目を見開く。そこには、今の時間大学に行っているはずの兄がいたからだ。
「あんただったの……?」
一樹はぐるりと椅子を回転させて花梨を見た。花梨は驚く。
振り返った一樹は、花梨の知っているいつもの兄ではなかった。
鷺沼がさっき指さした、あのケータイの中の写真に写っていた男が、そこに座っていた。
「意外に早く気づいたな。お前パソコンなんて疎いからもっと時間かかるかと思ってたよ。さすが俺の妹」
一樹は笑ってみせる。いつものぼそぼそと小声で喋る、前髪を目が見えないほどに伸ばして不潔っぽい兄とは明らかに違っていた。
髪は額を総て出して後ろへ撫でつけられていて、きちんとスタイリングされている。服装も違っていた。いつものネルシャツに薄汚れたチノパンではない。
「ど、どういうこと……?」
「会いたかったよ、僕の可愛いフラウ」
一樹はそう言って、くすくすと笑った。ぞくりと花梨の全身に寒気が走る。
「crymoreって、あんただったの!?なんであんなことしたのよ!?」
「発音が違う。クライモアじゃなくて、あれでクレイモアって読ませたいんだよな。本当の綴りはclaymoreなんだけど」
一樹が立ち上がった。一歩一歩、花梨の方へ近寄ってくる。
「来ないでよ!」
「クレイモアってな、地雷の名前。中に鉛玉が何百個も入ってて、踏んだら四方八方に飛び散って確実に相手を殺す。お前はその地雷を踏んじゃったってわけ」
じりじり、と花梨は後ろに下がった。一樹は一定の間隔で花梨に近づいてくる。
これがあの兄だろうか。大人しくて、花梨がどんなにキツい言葉を吐いても決して怒らない、無口で暗くてダサい、いつも自信がなさそうに背中を丸めて歩いていた、あの兄だろうか。
「地雷って……わけわかんない……来ないでよ!」
「バカだよなあ。気づかなきゃ良かったんだよ、正体が俺だって。そしたらメールでいたぶるだけで許してやったのに」
くっくっと笑って一樹はしなやかな獣のように花梨を狙っている。
花梨は思わず、一樹に背を向けて走った。自分の部屋へと廊下を走る。
ドアノブに手をかけ、回す。汗で手のひらが濡れている。
中に入り、ドアを閉めようとした時、その隙間に一樹の手が滑り込んだ。
花梨が両手でノブを掴んで引くよりも強い力で、バンッとドアが押し広げられる。花梨は思わず叫んでいた。
「やだ、いやっ!」
「叫んでも無駄だよ。crymore。もっと叫びを、もっと嘆けって……ワザとその綴りなんだから」
腕を引かれて、ズルズルと廊下を引きずられる。黒いタンクトップから伸びる一樹の腕は逞しかった。ただひょろりとしているだけだと思っていた花梨は、これがあの見知った兄と同一人物とは思えずに混乱する。
一樹の部屋に連れ戻されると、花梨の身体が乱暴にベッドに投げ出された。
ガチャリと部屋の鍵が閉められる音がする。
「や、やだ……何でこんなことするの……」
「だーから、俺は賭けをしたんだって。地雷を置いて、お前が踏んだらお前の負け。お前が踏まなかったら俺の負け。……お前は無視し続ければ良かったんだよ。いままで俺を無視してきたように」
はっ、と一樹は笑って、タンクトップを素早く脱ぐ。
花梨は目を見開いた。男の身体だ。それも酷く筋肉質という程ではなく、しっかりと作られてはいるが調整のとれた男の身体だった。今まで自分が経験した彼氏たちとは違う、大人の身体。
そうしてベッドに投げ出されたままの花梨の上にのしかかってきた。
「いやっ!いやあ!!」
「経験はあるんだろ?」
一樹の重みがずっしりと身体に染みこんでくる。花梨は恐怖と嫌悪で身体が引きつるのを感じた。
「だって……兄妹でしょ?」
震える声で花梨が一樹を見上げると、一樹はもう一度苦笑する。
「俺を呼ぶときはあんた、道ですれ違っても声をかけるわけでもない。声をかけても無視をする。部屋に入れば怒鳴る。それのどこが兄妹?」
花梨はぐっと息を呑んだ。確かに一樹の言うとおりだ。花梨は今まで散々な程、一樹を無視し続けてきた。同じ家に住んでいる他人くらいにしか思っていなかったのは、花梨の方だ。
「小さい頃は可愛かったよなあ、お前。お兄ちゃんお兄ちゃんってさ。後をちょこちょこついて来て」
一樹は突然、花梨の制服の上着に手を入れる。乱暴に胸をブラジャーの上から揉まれて、花梨は小さく叫んだ。怖い。
「やだ、やだやだっ!」
「あの頃みたいに、お前と仲良くしたいだけだよ」
一樹は知らない男のようだ。姿形も違う、声質も違う、しゃべり方も違う。
一樹の頭が、花梨のセーラー服の中に入り込んだ。
抵抗しようにも、両腕は頭の上で一樹の片手に押さえ込まれてしまっている。
「いや……いやぁ」
押しつけられたベッドのシーツは、男の匂いがした。
一樹の舌が、乱暴に花梨の胸を吸う。
「んっ、んんっ!」
カリッと乳首に歯を立てられた。軽い痛みが花梨の顔を歪ませる。ゴツゴツとした手が強く、まだ発達しきっていない胸を揉んだ。
「痛いっ」
「痛いだろうな」
一樹は花梨の叫びにも動じない。頭が制服の中から出て、制服が胸が露わになるほどに上に捲られる。花梨の少し小ぶりな胸がブラジャーから零れていた。
「ちっちぇ胸……」
くすりと一樹が笑って、花梨は羞恥にかっと頬が赤くなる。
一樹はまた顔を近づけると、花梨に見せつけるように舌を出してべろりと乳首を舐めた。ぞくぞくとする快感と、嫌悪。
「や、やだ……やめて」
「僕の可愛いフラウは嘘つきだねえ」
くくっと愉しそうに一樹は笑った。狂気じみているというよりむしろ、花梨をからかっている口調だ。
「冗談なんでしょ!?もう……酷いこと言ったりしないから……」
「じゃあお前が今まで俺にしてきた態度は冗談だったのか?」
一樹は眉を上げてみせると、ピンッと指で花梨の乳首を跳ねた。
「あぅっ!」
「違うだろうが。あのね、あんまり人を馬鹿にするとこういうことになりますよって教えてやってんだよ、お兄ちゃんは」
そう言って一樹はまた花梨の乳首にむしゃぶりつきながら、短い制服のスカートの中に手を突っ込んだ。
「いやっ!」
「短けえスカートだな。こんなんじゃ、いつでも犯してくださいって言ってるようなもんだぞ?」
一樹の手がショーツにかかる。ズルリと太腿までショーツが降ろされた。
指が茂みに添えられる。花梨は涙が込み上げてきた。
「やだ……やだよ、お兄ちゃん……」
「久しぶりだな……中1の頃以来か。お前にそう呼ばれるの」
一樹の親指が、ぐにゅっと花梨の割れ目に入れられた。花梨は思わず顎をのけぞらせる。
「ひあ……っあっ!」
「なんだ……濡れてんじゃん」
花梨のそこはそれでも一樹の指を楽々と迎い入れるほど湿り気を帯びていた。
「ちがっ……ああっ!」
一樹は親指を抜くと、その指についた蜜をすぐ上のクリトリスになすりつけるようにして塗り込む。ぐりぐりと強い力で蕾がつぶされて、花梨の身体は熱くなった。
「何?感じてんの?」
「んっ……んう……っ」
首を振るが、それでも身体は恐怖よりも快楽が勝っていた。
親指の腹でクリトリスを擦りながら、他の指が緩急をつけて花唇を撫でる。
花梨が今までつきあった彼氏は、ふたり。どちらともセックスをしたが、こんな風に乱暴で、こんなふうに強引で、けれど執拗に責められたことはなかった。
一樹が胸への愛撫をやめ、頭をずらしてスカートの中へと入れた。掴まれていた手が自由になるが、身体の上にのしかかられて花梨は身動きがとれない。
「あっ、ああぅ……」
ぴちゃ、と一樹が舌を花梨の中に差し込んだ。そして素早く中で暴れさせるように動かす。まるで身体の中を何かの生き物が這い進んで行こうとしているようだ。
「はっ、あ、あああ……」
花梨は思わず両手で一樹の頭を押した。舐められることで、爆発的に快楽がふくれあがっていく。
お兄ちゃんなのに。実の兄なのに、愛撫されて感じている。
一樹の唇がクリトリスを強く吸った。びくびくと花梨の腰が震える。
「やらしいな、お前……」
一樹が顔を上げてに、と笑った。その顔は今まで見知った兄とはまるで一致しない。知らない男のようだ。
「あ、あ、ああぁああっ」
クリトリスを細かく舐められながら、指で花唇から膣内へ、何度も刺激が加えられる。その度に花梨の頭がぼうっとして何も考えられなくなる。
「そろそろいいか」
一樹は身体を起こすと、自分のズボンに手をかけた。ベルトがカチャカチャと外される。花梨は、その隙を見て反射的に起きあがった。
一樹の身体を押しのけて、ドアへと走る。
「おいっ!」
一樹が立ち上がる。だがそれより早く、花梨はドアの鍵を外し、ノブを回した。廊下が見える。
「花梨!」
廊下へと飛び出したところで、一樹に腕をつかまれた。
振り返った花梨の目に、露出した一樹のモノが映る。
「ひっ……」
こんなものが、入るわけがない。一樹のそれは、花梨が今まで経験した同級生のものよりも一回りも大きかった。
「せっかくベッドでしてやろうと思ったのに」
一樹は花梨の腕を引き寄せると、膝をつかせた。廊下の冷たい板の感触が花梨の膝から伝わってくる。
「舐めろよ」
花梨の顔の前に、一樹の屹立した男のものがあった。花梨は首を振ってそれを避けようとするが、一樹に頭を押さえ込まれて口の中に押し入れられる。
「噛みついたら、あの写真を流すからな」
くっと一樹は笑った。ぞくりと花梨の身体に恐怖が蘇る。口の中に含まされた一樹のものは、男の独特の臭気で花梨はくわえるだけで精一杯だ。
「ちゃんと舌を使って、カリのところも……そうだ」
花梨は舌を動かす。頭は一樹に支えられて、逃げられない。
舌を沿ってゆくと、先端の広がった部分に触れた。そこを責めるようにして舐め上げる。一樹が小さく呻いた。
「昔の男にもしてやったこと、あるんだろ?」
勿論フェラチオ自体は経験があった。だがそこんな風に無理矢理にではない。それでも花梨は必死に舌を動かし続ける。
「ふっ、ん……」
一樹の手が、不意に花梨の頭を引いた。口から抜かれた一樹のモノは、花梨の唾液が滴るほどにぬ らぬらと光っている。
「やっぱ最初はお前の中に出してやるよ」
「えっ!?えっ……」
そう言ったかと思うと、一樹は花梨の身体を強引に四つんばいにさせた。
「何……いやっ!」
腰を高く掲げられ、一樹の手に押さえつけられる。
背後から一樹のモノが、花梨の濡れた秘所にあたった。花梨はぶるっと身体を震わせる。
「やだ、やめて、お兄ちゃん、お願い……っ!」
「言っただろ、お前は地雷を踏んだんだって……っ」
ズ、ズズッ、と花梨の身体の中に、一樹が侵入してくる。
「あっ!あああぁあっ!!」
花梨は廊下の床に手をついて、一樹のものが入ってくる圧迫感に耐えた。きつい。今までのセックスとは明らかに違う。
「すっげぇ……やらしい……」
一樹が喘いだ。一樹の角度からは、繋がっているところが全部見えているのだろう。乱暴に、一樹のそれが花梨の中に出し入れされる。
「ああっ、あぁあっ、あっ、あっ!」
じゅぶ、じゅぶ、と背後から突かれるたびに音がする。
――繋がってる。いま、お兄ちゃんに犯されている。
花梨はぞくぞくと突き上げてくる快感があった。
「泡立って白くなってる。今までどれくらいしたんだよ」
「さ、三回……」
「嘘つくなよ」
パンッと尻を叩かれて、花梨は叫んだ。きゅうっと膣口が締まる。
一樹はぐっぐっと、激しく花梨の身体を揺さぶる。
「家でもしたことあっただろ……?廊下までお前のやらしい声、聞こえてた」
「おにいちゃ……いたの……?」
誰もいないと思っていた。二度目のセックスは自分の部屋でした。同級生の彼氏は、けれど性急に花梨の身体を求めるだけでたいした快楽を与えてはくれなかった。
「あれ聞いて、俺がどんな気持ちだったか……」
一樹はぺろ、と親指を舐めると、唾液のついたその指を花梨のもうひとつの蕾に添える。押し入れるわけではなく、そこを撫でるようにぐりぐりと刺激した。
「あっ、あぅ……あ……」
「こうするとすげえ締まる……っ」
びくびくと花梨の身体は震えた。徐々に、一樹の動きも早くなってきた。
突かれるたびに下腹が疼くような快感が激しくなってゆく。
「は、はっ、はああっ!」
「お前、俺に犯されて感じてるんだ……」
自分の膣の奥が波打っている。一樹に突かれることで悦んでいる。こんなことおかしい、そう頭では理解しているのに、花梨は次第に何も考えられなくなっていた。
「ち……ちが……あっ、ああああっ」
強く一樹の腰が叩きつけられる。自分の秘所から滴った蜜が廊下を濡らす。がくがくと揺さぶられる身体が、高みへと運ばれてゆく。
「や、いく……っ、いっちゃう、いっちゃうううっ!!」
花梨はもう何も考えられなかった。ただ押し寄せる快楽の波に呑まれて、いつまでもこのまま犯されていたいとさえ思う。
「なら……中に出してやるよ」
「だ、だめっ……だめぇっ!」
一樹の動きがより激しいものになった。一気に花梨の快感が膨張して、破裂する。頭が真っ白に溶ける。
「い、あぁ……あああっ!!」
「…………っく」
ぐっと一度腰を強く引かれて、一樹の動きが止まった。びくんびくんと、花梨の身体が震える。自分の奥に熱いものが叩きつけられる。
「あっ、あ、あ、あああぁ」
痙攣しているのは自分の秘所だ。花梨のだらしなく開かれた口から唾液が流れて床を濡らしている。一樹は何度かぐっ、ぐっ、と腰を動かして、花梨の中に吐き出した。
「はあ、は……ぁあ……」
一樹のものが抜かれる。花梨の身体が廊下にだらりと横たわった。自分の秘所の奥から、放たれた一樹の精と自分の愛液が混ざり合って床に零れていくのがわかる。
「ほんと……淫乱だな」
一樹が花梨を見下ろしていた。花梨はまだ絶頂感の余韻にいて、時折びくびくと身体を痙攣させる。
「これからはメールじゃなくて、現実で可愛がってやるよ。僕の可愛いフラウ」
くっと一樹は笑って花梨の頬にくちづけた。意地悪な笑顔だった。
花梨はその言葉に、ぼんやりと恐怖でなく期待を思った。
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