呉ノ朱

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  最終話. 

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エレベーターを降りると、廊下は赤い絨毯が敷き詰められていた。
成る程、元がホテルだったというのは頷ける造りだ。
その柔らかい感触を、ゆっくりと栢木は踏みしめる。
急がなくてはならなかった。
1401号室、最上階の最奥の部屋を視線で探しながら、周囲を警戒する。手の中に握り込めた拳銃は重い。
と、蛇のように緩やかに曲がった廊下の向こうに、男が立っていた。黒いスーツを着た、岩のような体躯をした大男が、こちらに気づく。
栢木は一度息を吐き出して、そうして、走った。
靴底を絨毯の長い毛足が撫でていった。




男が腰を近づけてくる。くっと身体が拡げられる。その男の動きが不意に止まった。
遠く、ドアの向こうで音がする。馨と馨の上にのしかかろうとしていた男が顔をあげるのは同時だった。
「……来たか」
男は小さく舌打ちすると、馨の身体を離れ、早急にズボンを上げた。そうして背後に手を回して何かを取り出す。
馨は朦朧とした視界でそれを確認し、息を呑んだ。拳銃だ。
男が一歩ずつ、慎重にドアの方へ向かっていく。馨のいる場所から姿が見えなくなる。
と、次の瞬間だった。
ドアが蹴飛ばされたような大きな音と共に、男の身体がまるでボールか何かのように部屋の中央まで吹き飛ばされる。続いて現れたのは、また別 の男。
馨は目を見開いた。
そこには栢木が、立っていた。
「栢木……っ!」
栢木の顔は、何の表情もなかった。髪は乱れて、そしてシャツには点々と血がついている。
栢木は静かな瞳のまま馨を一瞥した。
馨は反射的に、自分がいま、どんな格好をしているかを思い出して顔を強ばらせたが、栢木の表情は何一つ変化しない。
すぐに床に転がっている、自分と同じ顔を持つ茶色い髪の男へと視線を戻した。
「こんなに……強いなんて聞いてない……ぞっ」
栢木に腹部を蹴られたらしい男は顔を歪め、そこを抑え咳き込みながら身体を起こした。
栢木は両手を上げ、スライドを片手で引いた。しっかりと、照準を定めるかのように。 そうして男に婉然と笑いかける。
「あまり舐めていただいては困ります」
栢木は馨を見ずに、両手で拳銃を構えた。
けれど茶髪の男は怯まなかった。青ざめた顔に亀裂のような笑いを浮かべて、栢木を見上げる。
刹那、跳ねるように男の腕が上がる。手の中には栢木のそれより幾分か大きなリボルバーが握られていた。
「あんたを殺せば、俺がオリジナルなんだよ。あんたの大事なお嬢様も三宮も、全部大切に可愛がってやるから安心しな」
親指で撃鉄を起こす音が、馨の耳に貼り付く。馨は小さく叫んだが、栢木は表情を変えなかった。
「美味しかったぜ、お嬢様は!」
叫んだ男の指が動く。馨は思わず固く目を瞑った。
パスッという、音。続いて聞こえてきたのは、男の悲鳴。
恐る恐る目を開けた馨の視界には、さっきと同じ姿勢で立ったままの栢木と、そして床に蹲り、赤く染まった手を握っている男の姿が映し出された。
「喋りすぎだ」
栢木が一歩、男に近づく。男の指から流れた血で赤く赤く染みた絨毯の上に転がっているリボルバーを蹴って、そうしてまたもう一度、男へ照準を合わせる。
「――馨様、耳を塞いで、目を閉じてください」
「駄目よ。殺さないで」
馨は乱れた衣服を直すこともできずに、栢木と男を交互に見た。
栢木を殺人者にするわけにはいかない。
だが栢木は、尚もゆっくりと笑う。その笑顔は、馨が今まで見たこともない栢木の表情で、ぞっと寒気が走った。
その戦慄の中で、ようやく馨は理解する。栢木は、怒っている。本気で。いままで自分が口うるさく叱られてきたことなど、遊びに過ぎない程に。
「さて、加減ができますものか」
栢木がそう言った瞬間、目の前の男は、残った左手で背後から何かを取りだした。何かのスイッチのようだった。
「撃つな。撃てば、これで三宮の屋敷が吹っ飛ぶ用意をしてある」
男は嗤っていた。けれど、顔を上げた馨とは対照的に、栢木は少しも表情を変えない。
「それがどうした?」
低い声。馨は思わず、栢木を見る。男も動揺していた。
「何もかも無くなるぞ。あの屋敷にいる大勢の人間も、金も……」
「それが、どうした、と言っている。三宮はここに在る。お前はそんなことも解らずにこんなことをしたのか」
ここに在る。それは、馨自身のことに他ならない。
栢木が首を少し傾けて、そして、微笑んだ。微かに、笑んだ。こんな口調の、こんな表情の栢木は見たことがない。
馨はぐっと目を瞑る。耳を塞いだ。
パスッ、と、さっきと同じ音がした。サイレンサーをつけていても、その音に馨は瞬間身体を震わせる。
男の悲鳴。
恐る恐る開いた目の向こうで、男の半分ほど吹っ飛んだもう片方の手のひらから血が流れている。薬莢がその横を転がっていった。
「まず、馨様に触れたその手」
栢木は通常は自動になっているスライドをまた、自分で引く。
音を極力出さないための改造拳銃だ。こんなものを栢木が持っていたなんて馨は知らなかった。
栢木が一歩、床に転がっている男に近づいた。銃口を下げて、男の股間を狙っていた。
「これももう不要だな?」
パッともう一度、弾が放たれる音。男の絶叫は、さっきのそれよりもずっと大きい。火薬の匂いが、きつく瞑った馨の鼻に香った。
馨は、赤くなった絨毯に視線を落としたまま、ゆっくりと気を失った。

意識を失っていたのは数分だったらしい。聞こえてきたのは、栢木が誰かに指示を出す電話の声だった。
ぐったりとした男は、シーツを裂いたもので止血され、そしてこの部屋にあったらしい縄で身体を固定されている。
「SMクラブを選んだのは、こちらにとっても都合が良かった」
誰に言うわけでもなく栢木はそう言って、そして馨の方へと向かってくる。
シャツに点々と赤い染みをつけている。これは、自分が彼につけさせたものだと馨は自分の無力さを悔いた。
栢木が自分を見ている。その視線に馨は怯えていた。
「大事ございませんか?」
馨を覗き込む栢木の表情は、優しく、穏やかだ。思わず馨は鼻の奥がツンと痛む。両手を伸ばして、栢木の身体に触れる。カタカタと震えているのは自分の腕だ、と、馨は気づく。
――怖かった。ずっと、怖かった。ほんとうは。
「お、おまえの方が……ずっと悪人だわ……っ」
「そうですか?」
栢木は苦笑した。そして顔を歪めて泣き出した馨をそっと抱き上げる。
馨は栢木の首を強く抱いた。背が軋むほどに強く、抱きしめられる。
「間に合って、良かった」
その力はとても強く、栢木の手もまた震えていることに馨は気づいた。
嗅ぎ慣れた栢木の匂いと、体温。それは馨の震えを、ようやく穏やかなものにした。






「痛いっ!」
自室のベッドで、手首と足首についた傷に薬を塗られていた馨が小さく叫ぶ。
けれど栢木はその手を止めなかった。
「少しは痛い思いをしていただかなくてはなりません。どれ程心配したかあなたは何もおわかりになっていない」
「私のせいではないわ。おまえが……いなかったから悪いのよ」
手を振り払われて、栢木は安堵する。いつもの馨だと。
諸々の些事を済ませると、後を三宮の警備班に任せ、馨を屋敷へと連れて戻った。厭がる馨を主治医に診せ、異常がないことを確認してようやく栢木は自分がどれほど平静を失っていたかを解する。
けれどそれを、馨に悟らせてはならなかった。
栢木は微笑む。微笑んで、ベッドに寝ている馨の隣に座った。
「そうですね。それは私の過失です。お許しいただけますか?」
「――いいわ」
頬にそっと触れた手を、馨は振り払った。触れられたくないのだろう。そのことに、栢木は笑顔のまま、僅かに傷つく。
「私も、怖いですか?」
「え……?」
馨が顔を上げた。見下ろした先の柳眉が微かに歪んでいる。
「あの男は私と同じ顔をして、馨様を苦しめた。私のことまで、恐ろしくなったのではないですか?これも狙いの内ならば大成功だ」
「違うわ!!」
目を細めた栢木に、馨は首を振った。馨がベッドから身体を起こして目を見据える。真っ直ぐな瞳だ、と、栢木は思う。その視線が逸らされて、唇を噛んだ。
「恥じて、いるの。自分を、よ……」
「あの男の手で快感を覚えてしまった御自分を、ですか?」
跳ね上がった馨の瞳が怪訝に自分を見上げている。栢木は馨のシフォンのベビードールに手をかけた。ぴくりと馨の身体が震える。
「どうして、そんなこと……っ」
栢木は馨のベビードールの裾に手を差し込む。そしてすっと肌を滑った。
「あなたのことならば、顔色ひとつでわかります」
太腿を、下着を露わにする。そしてその下着の上からそっと撫でた。馨の吐息が熱くなる。まだ薬の効果 が残っているのだろう。
「薬を使われたからといって、あの男に触れられることであなたは絶頂を感じたはず。何度?」
「だって、だって栢木だと、思ったから……あっ!」
ぐっとまだ屹立したままのクリトリスを摘んだ。栢木は馨を見下ろす。本気で嫉妬しているわけではない。けれど。
馨が怯えたように栢木を見て、その小さな唇が二度、と告げた。栢木は笑う。
「二度。二度も……ですか。他には?」
「なにも、されてないわ……、キスも、それに……その先も拒んだんだから」
馨がどんな風に男を拒んだか、栢木には想像できる。
彼女はこんなことで、散らされたりしない。誇りを、美しい花の下に隠した棘を決して失わず、だからこそ馨であり、そして誰よりも美しいのだ。
「では、されたことを総て仰ってください。――偽物は偽物でしかないのだと、あなたに覚えていただかなくてはならない」
栢木は自分のネクタイに手をかけた。そして軽く緩めて、シャツのボタンをひとつ外す。
それを見上げた馨が、微かに微笑んだことに、栢木は気づかなかった。
「お仕置きですよ」
白いシフォンを、胸元までたくしあげる。白い滑らかな肌と、細い腰がぞくりと栢木の中の男をそそらせる。
「こんな格好を、もう二度と、私以外には見せないでいただきたい」
頬を太腿に寄せた。そして下着を指で横にずらす。
「……まず、そこを指で、はじかれて……」
「そこ?そんな言葉では、わかりません」
栢木は馨を見上げる。馨の頬は紅潮していた。困ったように視線を外しては、口を開いたり、閉じたりして躊躇う。
「そ、その……ク……っ」
仕方なく栢木は、茂みの中に隠れている突起をぴんと跳ねた。
「んっ!!」
「これですか?……それから」
馨の瞳の色が変わる。吐息に熱が籠もる。こんな顔をさせられるのは、自分だけだ。もう二度とない。
「指を……入れられた、だけ……っ」
馨が上擦った声を上げた。馨の薔薇色の秘所はもう濡れている。薬の効果のせいだ。その花弁に指を走らせた。とろりと蜜が溢れている。
少しずつ、指を差し入れる。馨の身体が仰け反った。きゅうっと指がきつく締めつけられる。
「これだけで……二度も達したんですね」
「だって……だって……っ」
馨は泣き出しそうな顔をしていた。栢木は指を引き抜くと、身体を移動させて馨の頬にくちづける。
「怒っているわけではございませんよ。ただの、嫉妬です」
「ごめんなさい……」
怯える瞳で、馨が怖ず怖ずと、その言葉を口にした。
その表情があまりにも愛しくて栢木は微笑む。そして、唇に触れた。
小さな、柔らかい唇を味わう。甘い。
愛おしさが、唇から流れ込んでくるようだ。胸が詰まる。
「どんなに顔を同じにしたとて、何の意味もない」
「え……?」
ベルトを外した栢木が小さく呟いた言葉に、とろりとした目をさせた馨が小首を傾げた。栢木は薄く微笑う。
「いえ。独り言です」
そう言って、馨の身体を抱き上げた。ベッドに座った自分の上へ、両膝を折り曲げ抱えるようにして馨の身体を運ぶ。
「やっ、いや……何……!?」
いつもとは違う体勢に、馨が戸惑った声を出す。だがその声など聞こえなかったように、栢木は小さなその身体を背後から抱きしめるように少しずつ落とした。
「あっ!!やっ、やあぁっ!」
ペニスの先端が少しずつ、花弁を拡げていくのがわかる。ぬるりとぬめる程に濡れた馨の充血したそこが、左右に大きく開かれながら栢木自身を呑み込んでゆく。
「あなたの総ては……私のものです」
「あ、あああっ!!」
ぐぬ、と一気に根元まで馨の中に納めた。ぴくぴくと小刻みに痙攣している熱い泥濘は、こうして繋がっているだけで絶頂に達してしまいそうな強い快楽を栢木に与えている。
「そして、私の総ても……あなただけのものだ……っ!」
「や、あ、ぁっ」
腰を掴んで一度持ち上げ引き抜くと、それを激しく繰り返した。腰を動かして、馨の軽い体を突き上げるように動く。
差し入れた自分自身をきつく、絡め取るように馨の襞が擦る。それだけで気が遠くなるほど、気持ちがいい。
「あーっ、あ、あ……ん!」
「口が利けなくなりましたか?どこが好いか、ちゃんと教えてください。……さあ」
栢木は笑って、突き上げながら馨の首筋に背後から舌を這わせる。馨はぐったりと栢木にもたれるように力をなくしていた。
くすりと一度笑って、そして腰を支えていた腕を前へと伸ばす。
繋がっている箇所の上、馨のぷっくりと充血したクリトリスを摘んだ。
きゅう、と馨の締めつけがいっそう強くなる。
「ここをこんなふうに……されるのが堪らない筈ですが?」
「あ、あっ、あ――!」
びくびくと馨の内壁が波打っている。それがいっそう激しい悦びを栢木に伝える。栢木は一度眉根を寄せて、絶頂感を抑え込んだ。
「総て、総て私があなたに教えたことです」
「いい……いいの……きも、ち……いいっ……!」
馨の声が甘くなった。自分だけが聞くことのできる声。
身体をベッドに俯せに寝かせると、腰を高く掲げた。背後から獣のようにして貫く。
がくがくと馨の肩が、栢木の動きに合わせてシーツに擦れる。
「もっと、もっと……して、ひどく……してぇえ」
馨の手がシーツを掴んだ。眼下の白い双丘が震える。自分の浅黒いものが、白い馨の肌を、薔薇色の襞を割って白く泡立った愛液を絡ませながら出し入れされる様は、征服感をいっそう強くさせた。
「いつからそんなにいやらしい言葉を口にするようになったのか……」
くっと笑って、けれど厭な気分ではない。
初めて馨を抱いた時は、泣き叫ぶ様に胸を痛めた。いまや自分が、自分だけが与えられる快楽に馨の頬を上気させることができる。 そのことが、こんなにも嬉しいのは、馨を愛しているからだ。
肌がぶつかる音が部屋に響くほどに激しく挿入を繰り返すと、馨の喘ぎもまたピッチを早くした。
「だめ、だめっ、いっちゃうの……っ」
「では、抜いてしまいましょうか」
栢木は荒い息の中で笑って、ずるりと馨の中から引き抜いた。湯気があがる程に熱くなったそれを惜しむように、馨が声を上げる。
「や、やぁっ……ん」
「言った筈です、これはお仕置きですと」
馨の身体を少し乱暴に仰向けにさせると、馨自身の愛液が滴るほどにうっすらと白く付着したそれを、馨の唇へと持っていく。
栢木は馨の頭を抱えて、唇を開かせた。
「んっ、んんんんっ!」
「こんなはしたない姿、他の者が見たらどう思うでしょうね」
小さな薔薇色の唇を懸命に広げて、自分のものを呑み込んでいる馨の頬を、栢木は愛おしく撫でた。
馨の瞳は淫靡なまま、うっとりと舌を動かして自分に刺激を与えている。
「私だけのものです」
抱きしめてしまいたかった。もう今日のようなことが起こらないように、この部屋に閉じこめてずっと、自分とふたりきりで。
そんなことができる筈もさせられる筈もないとわかっていながら、栢木は夢想する。
と、その栢木の心を諫めるように、チクリとした痛みが、馨のくわえたそこから伝わる。
「痛っ……」
馨が栢木のそれに軽く歯を立てて、そして口を離して笑った。うっすらと唇に唾液が光る。それを手の甲で拭って、座った栢木をベッドへと押しつける。
「栢木、間違えないで」
微笑みながら、馨が身体を栢木の上へと載せてくる。細い太腿が栢木の腰に乗り、そして片手でさっきまで口に含んでいた栢木自身を、熱をもった自分の秘所へと導いた。
「んっ、あ……っ!」
「馨、さま?」
馨が腰を落として、それを呑み込む。ず、ずっ、と、奥まで押し込んで、一度息を吐き出した。
戸惑いながら栢木は馨のされるがまま、騎乗位の体勢で馨を見上げる。
美しい。自分を睥睨する馨は、どうしようもなく美しい。
「おまえが、私だけのために……生きているのよ?」
そう言って笑うと、ぐったりと力を無くしたように栢木に覆い被さって口づけされた。繋がったまま。
栢木もまた、笑って馨の腰を掴む。両手で軽々と抱えられる程の小さな腰。
「重々、承知致しております」
抱きしめるようにして、腰を突き上げる。馨の顎が仰け反る。ふわふわとした亜麻色の髪が揺れる。白い肌が、小ぶりな胸が、自分の身体の上で自分だけのために震えている。
栢木は眩暈のような快楽と愛おしさの中で、思った。
馨はこれから益々、美しく咲き誇るだろう。
まだ蕾だった頃から、自分が毎日水を注ぎ、栄養を与え、心を込めて育ててきたこの薔薇の花は、春を迎えてより鮮やかに花弁を開くに違いない。
自分はいつまでも、この花を手折ることはできないだろう。
散らすことも手に入れて部屋に飾ることもできない。
ただ咲き続けるこの花に求められるがままに、与えるだけだ。自分の総てを。
「大好きよ、栢木……」
熱い息が頬にかかる。
その言葉に胸が震えるのは、自分が花を散らせないことが幸せだからだ。
総てを与え、いつか彼女が枯れるその時まで見守り育て続けられることがこんなにも幸せだからだ。
馨の唇の柔らかさを、温度を確かめるようにもう一度深くくちづけながら、瞳を綴じた。
その薔薇の名前を、馨という。
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